こみっくす感想日記
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番号 タイトル 著者 掲載誌 日記
No.65 『この星の夜明け (2)』 市川ジュン 集英社(ユーコミックス) 1998.7.19
[同時収録]

花維新

月華草紙


2巻では夏木旭弁護士は、修習期間を終え、一人前になりました。

世相は暗く、どんどん暗くなっていく、昭和18年。

歴史の教科書ではそうした戦時色に塗り込められていく日常の生活を濃やかに描いてくれたりはしないけど、そうした世相のなかでさえ、やはり、女たちは誰かを愛し、愛のために戦っていたのだと、思う。

どんな時でも、人を愛し、子供を産み、育て、子供と男たちをもその腕のなかに守り、そして、戦うのだ。女たちは。

・・・しぶとい。なんて、しぶとくて、たくましくて、いとしい生きものたちであることか(笑)

第6条、品川佳代子夫人。

彼女も、しぶとくて、めげない女だ。なんというか、・・・女のひとつの本質だよね。

ふん、やられたっ!ってほど鮮やかで。

もうひとり、西村千鶴嬢も、また、柔らかななかにピンと筋のとおった、いい女なんだけど、やっぱ、秘めた想いの濃密さが違うというか・・・迫力が違うんだよね。(う〜ん、千鶴さんには、和子さんがいるから。それが、後に退けない孤立無援の佳代子夫人の気合との差になるのかなぁ、と。)

もちろん、女性の意志を平然と踏みにじる佳代子夫人の夫は、紫野なんかに言わせれば、まったくのロクデナシなのだけど、そんな男でも、好きになったら命懸け・・・なんだよな、たぶん。

ロクデナシであることを、一番承知しているのは佳代子夫人なのだけれど。

・・・いや、ほんと、男と女の仲ってのは、当人同士にすらよく分からないところもあるわけですからね(苦笑)

ラスト近く、くすりと笑う佳代子夫人の表情がいい。

一途で夫想いの妻、というだけであるはずがない。女は蛇にも鬼にもなれるもの。そして、そうするのはいつも男なのだ・・・って、どこかで誰かが言っていました。

同時収録は、「花維新」「月華草紙」

「花維新」は、明治民法成立期の女たちの、ささやかな反乱。

「月華草紙」は、清少納言と後に呼ばれることになる梛姫の恋物語。



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