こみっくす感想日記
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番号 タイトル 著者 掲載誌 日記
No.73 神さまの贈りもの 野崎ふみこ 『Judy』17号 1998.10.3
どうして口に出せないんだろ・・・?

夢と平馬は、ふたりの子供を育てながら共働をしている夫婦です。

男と女が同じ空間にいると、なぜだか女性の側で「女は男の世話をしてあげなくてはいけない。」というキモチが、別に望んでもないのにムクムクと沸いてくることがありません(苦笑)? そして、なにもしていない自分になんだか居たたまれないキモチになってくるの。

今回のお話で夢が回想しているように、紫野も 「母が父の世話をかいがいしく(?)やいていた。」家庭 に育ちました。そして、そうやって甲斐甲斐しく父の世話をしながらも、けっして、父の世話をすることを100%喜んでやっているわけではない母をも見て育ってきました。(・・・ムスメなんてもんは、ある程度育ってくると、母親の愚痴にまみれて暮らすことになるのですよ。母親の憤懣袋係、になっちゃうの。)

だから・・・、なのかな? 夢の「家のことをやりたいけど、やりたくない」って感じ、よく分かるなぁ、と、思います。

紫野が子供の頃は、女の子はなぜなんだか、「男の世話をするのがあたりまえ」あるいは「男の世話をやかない女なんて価値はない。」てふうな、有言無言のプレッシャーをかけられて育ったような気がします(今は、もう、そういう、呪縛に縛られない人も多いのかもしれないけど、ね?)

そうしてそういう女の子が大人になると、「そんな馬鹿な話はない」って頭では否定しているのに、「男の世話をやいてあげない自分」は「価値がない」 ように感じてしまう。そのくせ、実際には疲れてて「そんなことしたくない」のも事実だったりするし、さらに「自分がやるべきこと」(<って無意識がとらえているのよっ)を「男性にやらせる」ことに所在なさを感じてしまう。そういう状態に陥るのは、ものすごぉぉく居心地が悪い ものだから疲れててホントはやりたくなくても、「自分でやったほうが気分的に楽」って、そっちを選んじゃったりする。

たとえば、どんなに仕事で疲れて帰ってきても、部屋がぐちゃぐちゃになっていたら、「自分が」片付けなくてはならないようなキモチに急き立てられてしまう。しかも「男性である旦那に」、片づけて欲しいと口に出すことができない(<ものすごい心理的な障壁があるのだわ)。だもんで、口に出して頼むよりは、不満タラタラでも自分でやってしまったほうが心理的に楽なんで、片づけを始めるんだけど、やっぱり、肉体的には疲れているので、「口に出して頼まれなければ気づかない」旦那 に八つ当たりしたりする・・・・(<これ、我が家のパターンだな・・・)

さらに状況を悪くすることには、男性の側に、そういう女性の不満を気づいてあげるだけの素養(教育? 訓練?)が、おそらく足りていないという状況がある。(ここで、気づいてフォローしてあげられる男性、というものに、紫野はいまだかつて出会ったことがない。<ま、あふれんばかりの経験があるわけじゃないけど。)

個人的な回想なのですが、たとえば、紫野が育った家庭では、男の子(弟)にたいして「気働き」(あるいは「気配り」ですかね? 口に出さなくても相手のキモチを察して動いてあげる)という行動を奨励して(「そうあるべき姿」として半ば強制して)育てたりはしなかったのに、女の子(紫野)にたいしては、同じことを奨励して(あるいは「それが出来ないのは女として失格だ」みたいに強制して)育てたりしてました。同世代にはそういう育ち方をした人、けっこう多いのではないかしら?

・・・もし、そうならね、女性が 「気づかない」男性 にたいして心に不満を山ほど抱えこんでいても、あったりまえのことだけども、 「口に出さなければ」到底気づいてもらえない・・・ んじゃないでしょうかね(苦笑)? いや、ま、かなりの場合・・・「口に出しても分かってもらえない」ような気がするけど(苦笑)。

「言わなくちゃ分からないところが嫌なの」って台詞は、こういう心理状態に陥ってしまう女性が口にするんじゃないかな? なんて。

今回、平馬は、夢が口に出せなかった、「家の片づけ一緒にしてください」という言葉にたいして「そんなこと言うのにもしかして悩んでたのか」と言うのね。おそらく、平馬は、それを口に出そうとすると、おっそろしく心に負担がかかってしまう夢の状況を想像できないのでしょう。

平馬は、家事にも育児にも積極的なタイプ。でも、夢から見たら、それでもやっぱり鈍感。「気づかない」んだよね。夢にとっては、平馬が「口に出さなくても察して、夢が言わなくても自分から片づけてくれる。」ほうが楽なのだけど。

まして、これが普段から「育児」や「家事」に積極的でないタイプの男性にことを頼むのだとしたら、女性の側に尋常でないプレッシャーがかかってきます。相手に拒否されるだろう、と想像できるだけに、それを乗り越えても口に出すだけの気力が出てこなかったり・・・ね。(で、結局、自分でやってしまう。しかし、それは喜んでやっているわけじゃない。不満は心に蓄積される。そしていつかの日に爆発する・笑)

もちろん、男性の側が「口に出して言ってくれたらいいのに。」って言うのも分かる(だって、言わなきゃやっぱり分からんもん。テレパシーなんてないんだし。)けど、それが口に出せない=ものすごいプレッシャーがかかる、ってことに気づいている男性は、じつはあんまり多くないのではないか?と思っちゃうのです。だって、あまりにも想像しづらいことだろうし、女性の側もあんまり口にしたりしないし。

「家事」や「育児」を男性にやって欲しいと自分から表明することに居心地の悪さを感じる。しかも、その居心地の悪さの正体にもある程度気づいているのに、それを克服できない なんて、まったく合理的じゃない、ってことは分かっているのだけれど・・・分かっていてもなかなか乗り越えられない。だからこそ、これは、ある世代に育った女たちに特有の呪縛なのよ・・・(笑)

んな、わけで、自分に一言。

「口に出さなくても察してくれる」なんて甘い期待はさっさと捨てて、ちゃんと口にだして頼みましょう(<をいをい)

さあ、元気を出そうっ! 逃げちゃだめだよ。



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