こみっくす感想日記
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番号 タイトル 著者 掲載誌 日記
No.74 恋ひわたりの・・・ 河村恵利 ASUKA COMICS DX 1998.10.11
戦国ロマンシリーズの2巻目。

それぞれメインになる歴史上の人物は、

「恋ひわたりの・・・」 池田恒興(勝三郎)
「火の波」 三好義継
「氷の修羅」 陶晴賢(五郎)
「寄り竹の音」 小早川隆景
「小夜の寝覚め」 前田利長

『千秋』に続いて「歴史ロマンDX」に連載されていた短編集。

タイトルにもなってる「恋ひわたりの・・・」がいいです。
抑えた表現だけど、熱い恋ですよね。

好いた人が、主君の命とはいえ自分の夫を殺す、そしてその男に妻になる・・・。

「私を連れて戻ったら、殺した男の妻を奪ったと、きっとあなたは人に言われます・・・」
「弥知どのは怖いか? 俺は・・・平気だ・・・!」

河村さんの作品には、何度か織田信長がでてくるのですが、この「恋ひわたりの・・・」に出てくる信長も、なかなかいい味だしてると思います。実の弟をだまくらかして(<をいをい)殺してしまう信長と、乳兄弟の勝三郎の恋を応援してくれる信長と、どちらも違和感なく同居していて、そこんとこが、いかにも、河村さんだなぁ、という・・・(笑)河村さんは、昔っから、こういう、複雑な人格を設定するのが好きなのでしょうね。長編『明日香の皇女』の中大兄皇子の系譜、ですか。

「氷の修羅」の陶五郎(陶晴賢)も美形ではっぴぃ(笑)。もっと悪役にしたかったようなことを河村さんも書いてますが、この人も、歴史上の人物として、かなり興味深いですよね。結果としては主君を裏切り、主家をのっとってしまう家老・・・な、わけだけども。
NHKの大河ドラマ「毛利元就」では陣内孝則が演じて、けっこうごつい感じに描かれていたけど、河村さんの陶五郎は、より細身(中身もね)でよいです(笑)

「寄り竹の音」は、毛利元就の3男、小早川隆景が主人公。この人もこの時代には珍しく、正室一人を守った人ですよね。そのために、小早川家の本流は途絶えてしまう・・・。ま、意地悪く見れば「婿養子」だったから、とも見られるけど、この人、もし、その気なら「婿養子」なんて意に介さないし、家中になにも言わさないだけの実力もあった人だと思うんですよ。だからね、ほんとに本気で正室が大切だったのかもなぁ・・・なんてね。頭の切れる人だったらしい。「智将」と言われた人です。
そういう人がね、ただひとり、初姫(正室)にだけは、弱かった。剃刀のように切れすぎる人で、普段は情け容赦というものがあんまりない人なんだけど、初姫だけは別・・・って設定がおもしろい。『清水鏡』のなかの「春宵」の足利直義にちょっと似てるかな?

美形の悪役、次は宇喜多直家でやってくれるか(爆笑)? 楽しみにしてます。



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