| 番号 | タイトル | 著者 | 掲載誌 | 日記 |
|---|---|---|---|---|
| No.87 | 秘密−トップ・シークレット− | 清水玲子 | メロディ ベストセレクション | 2000.2.25 |
|
長期連載「輝夜姫」がますます怪調の清水玲子さんの短編。ジャンルとしては近未来SF? 「清廉潔白、正義の人」として知られる第57代アメリカ大統領が何物かに殺害された。本人が死んでも、脳が見た電気刺激を再現できることが判明し、故人が生前に見ていたものを映像化できる技術(ただし音声はまだ対応していない)が開発される。さっそく、この技術が大統領殺害事件の究明に使用されることになるのだが・・・。 こっ、これは痛いっす。 聖人のような大統領のキャラクターがあまりにも効きすぎていて、ラスト、胸が痛くなるほどです。 捜査に協力する読唇術の専門家、ケビン・ルーミスの個人的事情とあいまって、泣けることうけあい! 見るだけなら、見ているだけならば、秘密は自分のなかだけで暖めていることができる。秘密を心のなかで大事に大事に抱きしめて、自虐的かもしれないけれど、想うことは止められないから。視線が愛しいものを追うことはとめられはしない。でも、その聖域が踏みにじられてしまうとしたら? 他者の聖域を金銭と引き換えにマスコミに売り渡す者、喜々として他者のプライバシーを消費する人々。さても苦い現実は変えようもないのだろうか。
|