| 番号 | タイトル | 著者 | 掲載誌 | 日記 |
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| No.89 | 死神の惑星(2) | 明智抄 | EYES COMICS | 2000.7.28 |
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メインキャラクタ―それぞれの過去が順番に語られてきて、今回は、リン=鈴木エリザベートの番。 この物語のなかでは誰もが個性的ですさまじい人生をしょってるのだが、ベスのも法外である。しかも本人の認識が一般常識とずれまくっているので、本人も周りもえらく不幸だというケース。本人に明確な悪意はないはずなんだが、・・・あれではね。 鈴木エリザベート…はたから見たら人生の成功者なんだろうけどなあ。 「外から見て幸福そうでも本当のところは分からない」なんて書いてしまうとひたすら陳腐だけど、本人の認識のずれが常識をはるかに越えていて、妙に確信に満ち満ちちゃってて、無意味に強気に自分だけじゃなく周りまで巻き込んで人生が成層圏のはるか彼方に暴走していく…ところはおなじみの明智節だ。 「死神の惑星」の今後の展開は、贖罪がキーワードのひとつになるらしいのだ。「サンプル キティ」のあたりから、どうも作者はこのテーマにこだわっているらしい。まあ、贖罪なんてものは罪の意識から救われたい人間にだけ意味のあるものなのだが。 俗に「人間一人の命は地球より重い」というフレーズがあるが、地球環境に依存するその他大勢の無機有機物の量を思えば地球のほうが重いに決まっている。だが、一人の個として一番重たいのは自分の命だけなんであって、他の命なんか屁でもないんである…。 明智抄の作品にはいつもそういった種類の居心地悪さ(恥じらい?)があって、またそこが癖になるわけだが、そんなどん底の救いのなさが極まると非常にミニマムな救いを生み出すのかもしれない。 なにしろ、鈴木エリザベートときたら罪の意識から逃れたいのももちろんだが、惑星ひとつ、あるいは人類全体をなんとかしようってんだから。このままだと慈愛すら発揮しかねない…相変わらず自分勝手ではあるんだけれど。 がんばれリン!君が一番だ!…と、とりあえずエールを送っておこう。
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